一人ぼっち

本当に戦争なんておこるのだろうか?
多くの人が鼻息を荒げ、まるで当然のように話してる。
そして冷静をよそおりながらも、鬱憤を晴らすように軍備を進めるアメリカを叩く人達がいる。

そういう人達に、どのくらい現場の人間が見えているのだろう。

ここの日記にも一瞬ドキっとするようなタイトルをつけている人達がここ数日、目立った。

先の年、大統領選挙が前代未聞なほど長引いた。
チナの周りでは、ブッシュを支持する人が少なかった。
クリスはもちろん彼に票を入れなかった。（ブッシュが大統領になったら、クリスは職を失うと知っていたから）

開票し、見事なほどに票が真っ二つに割れ、その時もCNNから目が離せなかった。
けれど数日もするとクリスは、
「ん?もう気にしてないよ。どっちが大統領になったからって誰もまともに大統領のこと重んじないだろうし。
ブッシュが大統領になってもうちの会社をつぶすなんてできないよ。だから気にしない」

たぶんほとんどのアメリカ人がこんな風に考えていたに違いない。
正直、大統領が決まったときも、「あ、そう」って感じだった。

そして事実、彼はほとんどのアメリカ人に気にされない大統領だったような気がする。

今回のテロの後のブッシュの対応は、これ踏み台に自分の威厳をしらしめるぞ、というにおいがぷんぷんしていやだ。
戦争を起こして、国民にも世界にも一目置かせるぞって言っているみたい。
カメラの目の前で感情的に戦争、戦争と連呼する彼の姿を見て、あさましいなと思うのはチナだけだろうか?
それを見て、被害者や遺族は頼もしい大統領だと思っただろうか?

戦争なんて本当におこるのだろうか?
そうなればクリスは戦争に行くのだろうか?

一人ぼっちのアパートで、そんなことを考えていると、
涙が出そうになる。