911

昨日は911（アメリカの110番）の日（？）

クリスは家に帰ってくるなり、
「戦争が始まる」
なんて言ってくれた。

これ以上チナをびびらせてどーすんじゃい！！（怒
と蹴りを入れておいたけれど、心配
ニューヨークの友人達に電話する。
でも電話回線がいっぱいでつながらない。

奇跡的に一人だけ、連絡が取れた。
何かたくさん言いたいことがあったようだけど、
「何でも助けが必要なときは言って」
としか言えなかった。

「クリスは戦争にいかないよね」
「ドラフトされたら行くよ」
ドラフトって野球選手を指名するときに使う言葉なんじゃないの？
こういう時に使うの？

違う言葉みたい。

夜もちっとも眠れなかった。
朝。
バイトに行く前に、テレビで進展があるかチェック。
特にないようだ。

店までの5分の道のり。
9月にしては肌寒い。

空を見上げても、さすがに飛行機は一台もない。

チナの住んでいるところは飛行場に近く、いつも2、3機が飛行している。（デカイ国際空港があるから）

やっぱり飛んでないか、と店に近づいた、その時、
すごい轟音をたなびかせながら三角形の飛行物体が空を横切っている。

Armyという言葉が妙に生々しく、身震いをする。

Armyという単語に触発され、クリスの友人、ブライアンの顔が浮かぶ。
彼はUS Armyに属している。
今は自宅待機みたいな感じでいるけど、もし戦争なんてことになれば彼は間違いなく戦場に送られる。

戦争なんて起こらなければいいのに。
と願うには遅すぎるのだろうか。

アメリカはもう誰がこのテロの背後にいるのか、そしてその証拠もつかんでしまった。
必要があれば核を使う用意もあると表明したらしい。

恐い。

白い雪が降っている。

違う。白くない。
これは、雪じゃない。

これは灰色の、コンクリートのちり。
セメントの屑。

何千人もの被害者を押しつぶした、そのコンクリートが降っている。