Tail up is bad Luck
2001年7月6日バイトから帰ってくるとき、ペニーが落ちているのを見かけて、立ち止まった。
こんな時、必ず思い出すエピソードがある。
目はそのペニーに釘付けのまま、周りの空気だけが一瞬にして何年もさかのぼるような不思議な感覚がする。
アメリカにきて、最初のころ。
チナはすむところも無く、半野宿生活みたいなのをしていた。
まぁ。その辺のことはおいておいて、チナにも友達がぽちぽちできて来たころ。
テレビか映画かは忘れたけれど、刑事もののドラマで、こんな会話が交わされた。
(男Aが路上に落ちたコインを拾おうとする。男Bがそれを制して)「止めておけ、Tail up(裏が上)はbad lackだ」
(男A、コインを拾い上げて)「迷信は信じないんでね」
その時チナは、
「へー、そおなんだー」
くらいにしか思わなかった。
その後、どうしてもその新しく得た知識を使いたくて、友達と出歩いた時は地面をじっと見て歩いてた。
ある日、とうとうそれを使える時が来た。
「あ、1セント(ペニーを見てもダイムを見ても、とっさには、一円、十円の感覚で1セント、10セントといってしまう)」とチナがいうと、隣りにいた友達がそれを拾おうとする。
「NO! えっと、tail upはbad luckでしょう?」
ここぞとばかりに得意満面の笑み(だったはず)でチナは胸を張った。
すると彼はかがみ込んだ体制で動きをぴたっ、と止めて首だけひねってチナのほうを見上げた。
いつもつっこまれて(アメリカ人にまでつっこまれる天然ぼけ、チナ)悔しかったチナはこの時、一本取ったり!!ってかんじだったと思う。
すると彼はニッと笑うと、おもむろにそのペニーを軽く蹴った。
コインは、チャリンチャリンと2、30インチくらい転がってとまった。
チナは頭の上に「?」マークを彼の行動を見てた。
彼はそんなチナを手招きする。
見ると、コインは転がった拍子に裏と表がひっくり返っていた。
「ほら、これでもうbad luckじゃ無くなった。コインみたいに不運幸運は裏表だからね、物事の取り方次第でラッキーにもアンラッキーにもなるんでしょ。それでも違うっていうなら、こんな風に力ずくでかえる。少なくても、オレにはするだろうけど?」
といいながら、そのペニーを拾ってチナの手に乗せてピッとウインクまでしてくれた。
その時のいたずら坊主のような不適の笑みが忘れられない。
落ちているペニーに彼の笑顔が重なる。
今日の落ちていたペニーは表が上だったか裏が上だったか覚えていない。
どちらが上でも、もうチナには関係なくなってしまった。
不幸も幸福も拾う気にチナはならない。
不幸も幸福も拾うものではないのだから。
ただ、彼の言葉だけが心に焼き付いている。
今でもチナの心に勇気を与えてくれている。
こんな時、必ず思い出すエピソードがある。
目はそのペニーに釘付けのまま、周りの空気だけが一瞬にして何年もさかのぼるような不思議な感覚がする。
アメリカにきて、最初のころ。
チナはすむところも無く、半野宿生活みたいなのをしていた。
まぁ。その辺のことはおいておいて、チナにも友達がぽちぽちできて来たころ。
テレビか映画かは忘れたけれど、刑事もののドラマで、こんな会話が交わされた。
(男Aが路上に落ちたコインを拾おうとする。男Bがそれを制して)「止めておけ、Tail up(裏が上)はbad lackだ」
(男A、コインを拾い上げて)「迷信は信じないんでね」
その時チナは、
「へー、そおなんだー」
くらいにしか思わなかった。
その後、どうしてもその新しく得た知識を使いたくて、友達と出歩いた時は地面をじっと見て歩いてた。
ある日、とうとうそれを使える時が来た。
「あ、1セント(ペニーを見てもダイムを見ても、とっさには、一円、十円の感覚で1セント、10セントといってしまう)」とチナがいうと、隣りにいた友達がそれを拾おうとする。
「NO! えっと、tail upはbad luckでしょう?」
ここぞとばかりに得意満面の笑み(だったはず)でチナは胸を張った。
すると彼はかがみ込んだ体制で動きをぴたっ、と止めて首だけひねってチナのほうを見上げた。
いつもつっこまれて(アメリカ人にまでつっこまれる天然ぼけ、チナ)悔しかったチナはこの時、一本取ったり!!ってかんじだったと思う。
すると彼はニッと笑うと、おもむろにそのペニーを軽く蹴った。
コインは、チャリンチャリンと2、30インチくらい転がってとまった。
チナは頭の上に「?」マークを彼の行動を見てた。
彼はそんなチナを手招きする。
見ると、コインは転がった拍子に裏と表がひっくり返っていた。
「ほら、これでもうbad luckじゃ無くなった。コインみたいに不運幸運は裏表だからね、物事の取り方次第でラッキーにもアンラッキーにもなるんでしょ。それでも違うっていうなら、こんな風に力ずくでかえる。少なくても、オレにはするだろうけど?」
といいながら、そのペニーを拾ってチナの手に乗せてピッとウインクまでしてくれた。
その時のいたずら坊主のような不適の笑みが忘れられない。
落ちているペニーに彼の笑顔が重なる。
今日の落ちていたペニーは表が上だったか裏が上だったか覚えていない。
どちらが上でも、もうチナには関係なくなってしまった。
不幸も幸福も拾う気にチナはならない。
不幸も幸福も拾うものではないのだから。
ただ、彼の言葉だけが心に焼き付いている。
今でもチナの心に勇気を与えてくれている。
コメント